今回はいい宿です。といっても、以前にも書いたように、“私にとって”のいい宿なので、泊まってみてお気に召さなくても悪しからず。
まず断わっておきたいのは、このホテル、とにかく古い。客室に入ると、いまどき、窓枠が木製なのにビビります(失礼)。ついでに、浴室のドア枠も木製です。窓からの眺めも決していいとは言えず、そこかしこにうらぶれた雰囲気が漂います(またもや失礼)。しかし、確かに古いものの、部屋の掃除は行き届いていますし、夏は冷房もちゃんと入りますし、驚くべきことにインターネットも無料接続できます(かさねがさね失礼)。フロントの従業員の人たちの応対もしっかりしていて親切で、非常に感じがいいです。駅から近いのに環境は静か。屋内駐車場もあって、雨の日などは、濡れずにホテルに入れるのもグッド。そして、1階のレストランが、雰囲気や内装こそ大衆食堂ですが、味は一流。というより、店のイメージとかなりギャップがあるというか、ふつうの日替わり定食でも、味付けや盛り付け、ちょっとした工夫などが京風、もしくは関西風で、およそ大衆料理の体裁ではないんですね。むしろ、せっかくの上品な一皿に「なんだ、味しねえべや」などとぬかして醤油をドバッとぶっかけているガサツな客のほうに腹が立ってしまいます。しかし、つくづく宿も人間も見かけじゃわかりませんねー。 (もやしもん)